地盤改良から3日ほどで強度が出るので、荷重を加えて地盤の耐力を測ります。
平板載荷試験と言って、直径30㎝の円盤で重機を支えてどれだけ沈むかを計測します。
計画建物の重量は800t弱あります。敷地内に1㎥のコンクリートの塊が300個以上運び込まれるようなものです。これを耐圧版面積(≒建物の底面積)で割って1㎡あたりの実際の接地圧を求めます。この接地圧の数値にさらに、建物の傾き易さ、転び易さの倍率を掛けて、長期的、短期的に必要な地盤の支持力が既に算出されているので、現場で仮想的に小さい面積に置き換えて必要な支持力を超えるように試験を行います。
30分ごとに載荷圧力を段階的に加えて、その間5分刻みで変位計の数値を記録していきます。寒い中、日陰で地道な作業です。またお願いしたくなる方でした。自分もそう思われるようにと努めます。
今回の目的は、実験地盤面の長期許容支持力が長期設計支持力より大きいことを確かめることです。長期で見るのは、つまり数値上は短期の地震による転び易さより長期の沈下が気掛かりな建物という分類です。最大荷重時の沈下量は僅か0.4㎜弱で盤石な地盤を形成していました。この時点でまだ地耐力に十分余力があります。
次回は地業と言って、建物の基礎と地面の接する部分を作る作業です。