GARDEN FLATS 1階壁2階床コンクリート打設 2018/2/23

この建物の一つの大きな特徴として、躯体防水コンクリートの使用が挙げられます。躯体防水とは、固まる前の生コンクリートに混和剤を加えてコンクリートそのものに防水性能を持たせることです。建物が一つの塊として感じられるようにするために防水層や、その押え金物など余計な物が出てくることを避けました。

躯体防水について調べたところ、地下室の施工実績が多いものは何点かありましたが、地上部分についてはタケイ工業さんが強いようで採用しました。バルコニーと屋上の床面に関して保証対象となりますが、壁面にも同じコンクリートを使用しています。関西に支社が無い為、毎回コンクリート打設日に合わせて同じ方に東京から出張で来ていただくことになりました。

監督には施工の際「一発勝負で補修しないで下さい」とお願いしました。コンクリートは施工次第なところが大いにあるので、後で補修できるからと保険をかけた状態で打つとどうしても粗くなり、実際の強度が落ちることになりかねないと思います。防水性能の向上など、技術の革新でカバーできる範囲が広がることは良いことかもしれませんが、素材そのもの本来の性能への依存度が下がり、全体として考えた時にどうなのだろうという疑問が湧きます。耐用年数という指標があっても、良い物が少しでも長く生き続けるようにできるだけのことはしたいと思います。

「カッコイイこと言ってやるだけやらせてやっぱり後で補修してるやん」ってなると、施工者が無駄な労力を使わされたようになるので、担保としては信用しかないけれど、そこは絶対に裏切らないと思われるように努めます。塗り込めることのない手作業の集積としてある建物を求めています。見栄えの悪い部分が多少あっても建物トータルで見たらこれで良いという施主の理解があってこそ許されるやり方ではあります。

1階は少し不具合もありましたが、カバーできる範囲内でした。2階からは注意点が明確になり、満足いく仕上りです。





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