GARDEN FLATS 基礎コンクリート 2018/1/23

コンクリート打設日の早朝に水湿しをして、コンクリートが硬化するために必要な水分が他所に吸い取られないように準備します。

写真は桟木で立ち上がりを作り、屋内と屋外の区画を分けている部分です。コンクリートは打継ぎ面からの浸水を極力防ぐことが重要です。この立ち上がり部分はピロティにあり、外郭から奥まった場所で吹き降りの影響もなく、対処として簡素なものにしています。


ミキサー車で運ばれて来たコンクリートの一部を取り出して状態を確認します。

堅さや塩分濃度、空気量を測定して、問題なければ現場に打設し、ダメなら帰って頂きます。検査はすべてのミキサー車ではないので、このコンクリートの状態を基準に品質にバラツキがないか各台チェックします。

検査の作業手順の各必要回数なども立ち会いのもと確認しています。


ぐるりと打ち回し、お昼の休憩です。この時点でだいぶ鉄筋が汚れています。鉄筋とコンクリートの付着を考えると、鉄筋に薄く付いたセメントが先に硬化してしまうのは望ましくなく、一度に一体的にコンクリートを打つことが理想ですが、現実的には難しいところがあります。ホースの筒先を動かしてコンクリートを流し込まない施工が骨材の分離を考えると理想なのですが、動かした分筒先の周りが汚れてしまいます。


ここからは床の高さまで一気にコンクリートを打設します。土間屋さんがレベルを確認しながらコンクリートの分量を調節していきます。少し時間を置いて踏み固めてから土間仕上げに入りたいところですが、実際は打設直後のタイミングで少し踏めるくらいになりました。作業の進捗に合わせて少し手間をかけるように出来たらと思います。


オレンジのジャージ姿が僕ですが、地中梁の鉄筋が入り組んだところをメインにコンクリートを突きました。骨材が詰まってコンクリートの回りが悪くなったり、空洞にならないように目視しながら徹底的に均質に打ち上がるように続けます。

現場で怪我されたら困るし、他の業者の手前やりにくさもあるかと思いますが、容認して頂いた監督に感謝しつつ、いろいろ聞いたり、お願いしたりします。

立ち上がりの鉄筋に着いた汚れをブラシで落としますが、水を切るように口を酸っぱくしてお願いします。余計な水分で重要な打継ぎ面のコンクリートの強度が落ちると問題です。鉄筋を揺すって水が加わると、鉄筋とコンクリートの付着も悪くなります。


本で読んだ限りは踏み固めや再振動締め固めで密実なコンクリートができるとありますが、一般的に実施されていないので、隙を窺いながら床に踏圧を与えることが関の山でした。

ポイントで作業の割り振りを変更して柔軟に対応できたら可能なこともありそうなので、次の課題になります。コンクリートの状態を見計らう経験が重要だし、見誤ると修正がたいへんなことになるので、事前の打合せが必要です。

コンクリートの持てる力を存分に発揮して、設備的な耐用年数を優に超える躯体の空間的な価値を高めたら、いずれ来る解体の危機も乗り越えられるのではないでしょうか。


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