墨出しした位置に地中梁の鉄筋を配筋していきます。
長く見える鉄筋も途中で圧接と言って、圧縮力を与えた状態で溶接して継ぎ足しています。鉄筋に求められる役割として、コンクリートの弱点である引っ張られた時の抵抗力があります。この継ぎ足した部分の強度が低く引っ張られてパリッと割れることがあってはならないので、外観上求められた大きさの圧接玉になっているか、また正確な位置にあるか確認します。
外郭4辺は型枠で押さえています。打ち込む最中にコンクリートから受ける圧力が大きいので、撓まないようにつっかえ棒をたくさん使って支えます。
建物の形が彫刻のような洞窟のような、あるいは遺跡のようなイメージなので、組積造の築造物のような印象になる型枠の継ぎ目の合わせ方を考えました。基礎の一部も露出するため、この時から既に型枠の割付を決めています。
基礎鉄筋の四隅の納まりです。鉄筋が引っ張りを受ける状態をイメージしてみましょう。地中梁同士の接合部であるL字型、T字型の部分に大きな力がかかって引き抜かれそうになります。
壊れないように、鉄筋の先端は折り曲げられています。この折り曲げた部分がカギ状に引っかかり、引き抜きに抵抗してくれます。その長さや、先端が飛び出ていないか(特に底部)、鉄筋相互の間隔がちゃんと開いているか見て回ります。90°真下、真上に折り曲げると先端がコンクリートから飛び出すので、ここでは扇状に角度を付けて配筋しています。
写真は鉄筋が上下とも二段になる部分で、上下各10本ずつをこれから正確に配筋していきます。
地中梁が完成したら床の配筋です。完成したところで構造設計の方と一緒に検査をして、問題がなければ次のコンクリート工事に移ります。