これから地中梁を作るための溝を掘ります。前回地盤改良を行った部分以外の土を撤去していきます。
写真は溝を掘り終えて砕石が撒かれた状態です。小型のプレートコンパクター(地面に打撃を与える手押しの転圧機)で転圧しましたが、踏み心地が柔らかく感じたので、捨てコンを入れる前にもう一度お願いしました。
細粒土ではなく砂質土なので、転圧回数を増やした方が締まります。砂の粒が更に細かい細粒土の場合は叩いても余計に悪くなることがあるので注意が必要です。
プレートは小型で頼りなく感じる転圧機ですが、砂質土には何tもある機械より効果があるとも資料にあり、土の締まり具合の判断は難しく感じます。
タンパー(プレートより重量がある)で強く転圧すると思っていましたが、地盤改良を行った部分(灰色)の断層の下部には写真のように砂質土(黄色)が露わになっており、打撃が強いと法面の砂質土が崩れるのでダメという施工者の意見でその判断になりました。
捨てコンを打ちます。短い鉄筋が地面に刺さってますが、予めテープでレベルの印を付けて目安にしていました。基礎底面の鉄筋のかぶり厚さに影響してくるので、ここでも注意が必要です。
5㎝ほどの厚さで、地中梁の墨出し(正確な位置を決める絵描き)の際のキャンバスとなります。
この工程で地面と建物の境界が完成です。
建物の下は完成後おそらく二度と見ることはないでしょうが、ゴミが混ざったりすると気持ち悪い感じがあるので、極力拾うようにします。僕は関与し得る部分の純度を上げて、鉱物のような建物を作りたい。自己満足のようだけど、そのような意識で最後まで接し続けることで何か違うものが完成する可能性があると思っています。